正社員が良いという幻想をぶち壊せ

正社員が良いという幻想をぶち壊せ

みなさん、正社員になりたいですか?

正社員とは?

そもそも、日本の法律に「正社員」という定義はありませんが、一般概念でいくと、期間の定めのない労働契約で働く労働者のことを指します。

Wikipediaによると、フルタイム労働のことも含まれているとありますが、ここは最近は変わってきているかと思います。私の会社の就業規則でもフルタイム労働という制限は外しました。

労働者が優位すぎる労働法

解雇できない

憲法で定められた「職業選択の自由」があるため、労働者が会社を退職するのは自由です。

一方で、企業側から労働者を解雇することは原則として違法です。一般的には、解雇規制とよばれている制度です。私のこの記事の主張と近いですが、以下の記事が分かりやすいです。

しかも、雇用契約結んだ後だけでなく「内定取消」すら違法と判断された判例もあり、なかなかの過保護です。

減給できない

もう1つ大きな法的規制として、給与額を減らせないというものがあります。こちらも解雇規制と同じで、いろいろ条件付きでは可能なのですが、基本原則として給与の減額は違法となります。

結果として、何が起きるか…

上記の規制があるということは、正社員として雇ったら、会社が存続する限りは定年まで雇用しなければならず、定年まで給与を上げることしかできない(下げられない)ということです。

正社員は給与を安く設定するしかない

こんな規制あったら、会社としては、給与を安く設定するという判断しかできないです。

  • まだ入社半年の新卒社員
  • スキルも確かで、業績にも非常に貢献している
  • 今の給与は22万円だが、今の会社の財務状況なら30万円出せる

例えばこんな社員がいたとしても、結果としては、給与上げられないです。ボーナス査定を高くして、翌年の昇給のタイミングで24万円にするくらいです。

正社員の数を最低限にしておく

解雇ができないということは、自ら退職しない限りは在籍するということなので、必然的に正社員の数は最低限に抑えます。多めに正社員抱えることは、それだけ固定費を増やすということで、外部環境の変化に対応できないリスクを増やすだけです。

仕事ができない人材が滞留し、仕事ができる人材は流出する

極端な言い方をすると、会社で時間を過ごせばお金をもらえると思っていて向上心もなくダラダラと仕事している人は、わざわざ転職しようという意欲もないので、辞めません。

逆に、スキルも向上心もあって業績に貢献しているような人は、自分のスキルに自信があるので「よりよい条件の会社がある」となれば転職しますし、「フリーランスのほうが稼げる」と考えれば独立します。個人として考えれば正しい判断と言えます。

会社からすると、仕事ができない人材が残って仕事ができる人材が流出するというのは悲劇です。仕事ができない社員の給料もかかるので、他の社員の給料も上げられず、生産性は上がらず、どんどん悪循環にハマっていきます。

苦渋の決断で、自主退職を促して大規模にリストラしようとかした日には・・・それこそ仕事ができる人材から辞めていき、崩壊へのカウントダウンが始まります。

そうだ、非正規で雇用しよう

結果として、正社員はリスクが高すぎるので、

  • 一定レベル以下の作業はアルバイトとして雇用しよう
  • 繁忙期だけ期間契約の社員を使おう

となります。会社としては、まっとうな判断です。

非正規雇用の割合が増えているとか言いますが、会社も個人も合理的な判断をした必然の結果でしかありません。

昨今、同一労働同一賃金をめざすとか、非正規との賃金格差が…とか言いますが、正社員の労働者保護の規制が雇用条件の差になっている以上、どうしようもありません。

ただ、今はまだ「正社員のほうが高給」というのが統計値ですが、じきに、スキルを持った非正規のほうが高給をとるようになっていくはずです。(いまでも、会社によっては、そうなってきているかもしれませんが。)

期間ごとに更新する契約社員のほうが互いに対等ではないか

そんなことを踏まえて私が最近考えているのは「期間ごとに更新する契約社員のほうが労働者と雇用者が対等でありフェアである」ということです。

業種業態によって、契約期間は半年でも1年でも良いと思いますが、契約を更新するタイミングで、労働者と雇用者が納得する形で交渉すればよいだけ。

労働者目線でみても

  • 給与額に納得いかなければ更新しなければよい
  • 週5日を週4日にする、1日6時間にする、など労働条件を変えたければ更新時に決めればよい

とメリットしかないですし、雇用者としても、

  • 財務状況と本人のスキルなどを加味して、その瞬間の最適な給与額提示と交渉ができる
  • 必要のない社員は契約更新しなければよい
  • 必然的に、社員をただしく評価する制度がつくられる

という点で、特にデメリットはありません。

結果として、個人は真剣に仕事にとりくむようになり、給与も上がり、会社の生産性もあがり、好循環を生むことになり良いことだらけです。

新卒を一括で大量に雇用して各所に配置していったほうが効率が良い大企業にとっては、一人ひとりとの交渉に手間をかけるのはデメリットかもしれませんが。

正社員が良いという幻想

「そういうなら自分の会社でやれば」と言われそうですが…今は、正社員がメインです。本音は、いますぐ全員を契約社員に更新し、以後はすべて契約社員として採用するというのもありだと思っています。

ただ、一番の問題は「正社員が良いという幻想」です。これがある限りは、採用のところでなかなか人材が集まりません。ま、ちゃんと説明するサイトでも作ればよいのかもしれませんが。

ちょっとまとまらない記事の終わりですが、

正社員が良いという幻想をぶち壊せ🤜🏿

ということを声を大にして言いたいです。みなさんどう思いますか。